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新数学人集団(SSS)の時代 ノート46 非公式の虚数乗法論討論会

国際整数論シンポジウムの日光での会場は金谷ホテルでした。実際に会議が行われたのは9月12日と13日の二日間で、日光に移動して翌日の11日は観光にあてられました。
SSSは外国人数学者たちの間で相当に有名になったようで、特にヴェイユやセールなどブルバキの人たちとは非常に親密になりました。11日は好天に恵まれて、思い思いに中禅寺湖周遊に向いました。ヴェイユとセールとSSSの一行は中禅寺湖に飛び込んだりしました。ドイリングは単身、男体山を征服。アルティンは仏教や仏像についてこまごまと質問してきて、同行者たちも答えるのに苦労したということです。正午にはみなレイクサイドホテルにもどり、昼食後、今度は東照宮見物に向いました。夕刻、植物園でささやかなガーデンパーティが開かれました。
 12日はシンポジウムの第3日。会場はわりと質素な感じでした。正面に黒板があり、テーブルは4人にひとつずつ。名前入りの三角柱がひとりひとりの前に置かれていましたが、出席者の中にはSSSのメンバーもいて、その人たちの名前はこの日からSSSとなりました。
 会議は午前9時から始まりました。議長はアルティン。最初の講演は志村五郎先生。次は谷山さん。次はヴェイユです。3人とも虚数乗法論の一般化に関する講演で、この三つの講演がこのたびのシンポジウムの焦点になりました。
 午後はドイリング、佐武一郎先生、ラマナタン、の講演がありました。志村先生、谷山さん、佐武先生はみなSSSのメンバーです。
 会議終了後、SSSがブルバキを植物園の宿舎に招待することになり、ヴェイユ、セール、シュヴァレー、ネロンがこれに応じました。夕食もいっしょ。Bourbaki(ブルバキ)を感じで書くようにという注文が出て、「武瑠莫鰭綺」「笑了(ニコラ)古履(ブルバキ)」などと書いてみなで大笑いになりました。
 7時から非公式の虚数乗法論討論会。ヴェイユ、アルティン、ドイリング、ブラウワーを含めて、出席者は計25人。SSSが議長と決まり、谷山さんと志村先生が議長席につきました。9時半、閉会。
 最終日の13日は主題が代数幾何に移りました。まずセール、続いて中井、永田の両先生、ネロンの講演があり、これで午前の部が終りました。午後はすべてショートコミュニケーション。終了後、閉会式。これで正式なプログラムは終了しましたが、3時半から2次形式に関する非公式討論会が行われました。議長は小野孝先生。
 夕刻、フェアウエルパーティ。学術会議議長の茅誠司先生と末綱恕一先生の挨拶があり、若い数学者を代表して佐武先生がテーブルスピーチが行われました。募集していた詩のコンクールの結果が発表されました。応募総数3篇。第一位は志村先生の漢詩。第2位はSSSの替え歌。ブルバキ作の詩は、ブルバキは人ではないという理由により失格となりました。SSS作の替え歌をみなで合唱。諸教授のかくし芸。ドイツ人はローレライを歌い、フランス人は知らない歌を歌いました。
 整数論シンポジウムの状況はこれでだいぶ細かいところまで明らかになりました。

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