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新数学人集団(SSS)の時代 ノート44 整数論シンポジウムの概観の続き

最初に講演したのはアルティンでした。終了後、休憩10分。次の講演は岩澤先生で、終了後また休憩。ヴェイユはそのあたりを歩き回っていましたが、何を思ったか、やおら演壇に飛び上がり、黒板に、
THERE IS ONE GOD
   HE HAS TEN PROPHETS
と大書しました。「神様がひとりいて、その神様には10人の預言者がいる」というほどの意味でしょうか。そのときSSSのスポークスマンのK氏(というのはだれのことなのでしょうか)が発奮し、
   No! No! eleven! there is SSS!
と叫びました。「違う。違う。11人だ。SSSがいるではないか」というのでしょうか。するとヴェイユはしばし黙考し、再び演壇にあがって、GODをSSSと書き直しました。これには日本のお歴々もあっけにとられて苦笑いという一幕がありました。
 意味のわかりかねる出来事でしたが、ともあれ10人の外国人数学者たちはSSSに関心を持ち始めていたようで、そんな様子が伝わってくるエピソードです。
 次の講演はヴェイユでした。記録係がテープレコーダーに記録していたのですが、それを指導したのはK教授とのこと。だれなのか、またしてもよくわかりませんが、河田敬義先生かもしれません。
 これで午前中の講義が終了しました。午後の講演は2時からで、議長が交代して正田健次郎先生になりました。そのとき末綱恕一先生に先導された高木貞治先生が会場に姿を見せました。高木先生は明治8年(1875年)4月21日のお生まれですから、このシンポジウムの時点で満80歳です。お茶目のアルティンやいたずら盛りのヴェイユ、それにやんちゃのセールがそれぞれ神妙になったのはちょっと愉快だったと、久賀先生または郡司さんは書いています。
 午後の最初の講演はブラウワーでした。
 次の休憩のおりにA先生あたりから撮影禁止令が出されました。まちまちに撮影が行われるのはじゃまになるという配慮からのお達しのようで、撮影が許されたのは公認カメラマンの米田信夫せんせいのみとなりました。
 午後の二人目の講演は淡中忠郎先生。講演中、ヴェイユは居眠りをしていたとのこと。続いて5分ずつのショートコミュニケーションが始まりました。まず寺田文行先生、次に竹田清先生。竹田先生は研究集会には出なかったという註記が附されていますが、研究集会というのは整数論シンポジウムの準備として数回行われたもののようで、講演の練習会のような印象があります。スピーチ講習会なども行われたようですし、シンポジウムに向けて入念な準備が重ねられた様子がうかがわれます。
 これで第一日目が終りました。

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