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著作の完成をめざして8 逆接線法と求積法

微積分は「曲線の理論」として始まりました。デカルト、フェルマ、ライプニッツ、ベルヌーイ兄弟と、曲線を知りたいという情熱が継承されています。曲線を知るということの鍵をにぎるのは接線を引くことでした。法線を引くことと言っても同じです。デカルトの『幾何学』にはこの課題が幾度となく語られていますから、そこに疑問の余地はないのですが、では接線や法線を引くことを通じてs曲線の何を知りたかったのかというと、実はよくわかりません。このあたりに謎が残ります。
 積分は逆接線法として認識されましたから、これもまた曲線の理論です。積分の源泉というといつでも求積法が語られますが、積分の起源はあくまでも逆接線法であり、求積法は逆接線法から派生した応用例のようなものではないかと思います。微積分の基本定理に言及しなければなりませんので、逆接線法と求積法の関係を明らかにするのは重要な課題です。
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フェルマの数論69 ペルの方程式から一般の2次不定方程式へ

ペルの方程式はフェルマがイギリスの数学者たちに提示した一問題で、不定方程式論の視点から見ると2次不定方程式の一例にすぎないように見えるのですが、ラグランジュは「そうではない」と、明確にこれを否定しました。なぜなら「2個の未知数をもつ2次不定問題の一般的解決は正にこの場合に帰着する」からというのですが、このあたりの洞察はラグランジュならではのもので、深遠です。この洞察こそ、今日の不定方程式論の源泉です。
 ラグランジュはオイラーの2論文を挙げましたが、次に挙げるオイラーの2論文も重要です。

[E323]ペルの問題を解決する新しいアルゴリズムの利用について
ペテルブルク科学アカデミー新紀要、巻11、1767年。オイラー全集、第一系列、巻3、73-111頁。
[E559]式axx+1=yyの解法のための新しい手法
『解析小品集』巻1、1783年。オイラー全集、巻4、76-90頁。

[E323]の表題に「ペルの問題」の一語が見られますが、これが実は「ペルの問題」という言葉の初出です。ペルはイギリスの数学者ですが、オイラーはフェルマの挑戦に応じたのは(ウォリスではなく)ペルと思い、こんなふうに書きました。オイラーの勘違いなのですが、「ペルの問題」という言葉はその後の数学史に定着し、今日に及んでいます。
 [E559]でもペルの方程式が取り上げられています。『解析小品集』というのはオイラーの論文を集めた書物で、原書名は“Opuscula Analytica”というのですが、未公表だった論文を集めて1783年に刊行されました。オイラーは1783年9月18日に亡くなっていますから、ちょうどオイラーの没年です。全2巻の書物で、エネストレームナンバーは巻1が[E531]、巻2が[E580]です。

 ラグランジュの言葉にもどりたいと思いますが、ラグランジュはオイラーの2論文に言及した後に、「だが、このテーマが極め尽くされたと言うにはあまりにも多くの事柄が欠如している」と続けました。次に挙げるのは、オイラーの論文を批評するラグランジュの言葉です。

〈それというのも、1. オイラー氏は方程式A+Bt^2=u^2において、Bが正数で、しかもtとuが整数であるべき場合だけを考察したにすぎない。2. その場合において、オイラー氏はこの方程式のひとつの解がわかっているものと仮定して、その解から他の無限に多くの解を導き出す手段を与えている。これは、この偉大な幾何学者が、提出された方程式が解けるか否かをアプリオリに知るための二、三の規則をも与えるべくつとめなかったということではない、しかし、それらの規則は単に機能的な考察を通じて取り出されるだけで、根拠のあやふやな諸原理に基づいているにすぎないし、そればかりではなく、既知とされるべき最初の解の探索のために何の役にも立たないのである(ペテルブルク科学アカデミー新紀要、巻9の第一論文、わけてもその論文の38ペテルブルクの結論を参照せよ)。〉

 ペルの方程式から出発して、一般の2次不定方程式へと進もうとする構えはすでにオイラーにおいて認められますが、ラグランジュはオイラーを先人として同じ道をいっそう深くたどろうとしています。

著作の完成をめざして7 線のいろいろ

デカルトの『幾何学』のテーマは曲線の理論ですが、いろいろな名前の「線」が出てきます。原亨吉先生の翻訳を参照しているのですが、概観すると下記の通りです。

   線
平面的な線
立体的な線
超立体的な線
曲線的な線
幾何学的な線
機械的な線

原語はフランス語です。どういう言葉をどのように訳出したのか、気に掛かりますが、一見して苦心の翻訳という印象があります。

新刊紹介

『近代数学史の成立 解析篇 オイラーから岡潔まで』
東京図書
定価:2000円(税別)

発売日は6月7日です。

            近代数学史の成立 解析篇 オイラーから岡潔まで

著作の完成をめざして6 歴史ということ

ディオファントス『アリトメチカ』とフェルマの数論。ユークリッド『原論』における正三角形、正五角形のガウスの円周等分方程式論。数学的思索の課題は歴史的に生成され、値打ちもまた歴史的な視点から行われます。

『ユークリッド原論』
訳・解説:中村幸四郎、寺阪英孝、伊東俊太郎、池田美恵
共立出版、1971年)
巻頭に配置されているのは23個の「定義」、5個の「公準(要請)」、9個の「公理(共通概念)」。

定義1 点とは部分をもたないものである。
公準(要請)1 任意の点から任意の点へ直線をひくこと
公準(要請)3 有限直線を連続して一直線に延長すること
公準(要請)3 任意の点と距離(半径)とをもって円を描くこと

直線を引くには定規を使い、円を描くにはコンパスを使います。

著作の完成をめざして5 デカルトの『幾何学』

デカルト『幾何学』は三つの巻で構成されています。
巻1 円と直線だけを用いて作図しうる問題について
巻2 曲線の性質について
巻3 立体的またはそれ以上の問題の作図について

読めば読むほどおもしろい作品です。微積分は「曲線の理論」としてはじまったことを、もっと強調するべきであろうと思います。

著作の完成をめざして4 ペルの方程式

ペルの方程式の解は非常に大きくなることがあります。言い換えると、小さな数の範囲では解が見つからないペル方程式が存在します。

x^2-211y^2=1の一番簡単な解
   x=278354373650
   y=19162705353

x^2-991y^2=1の一番簡単な解
   x=37951 64009 06811 93063 80148 96080
   y=1205 57357 90331 35944 74425 38767

フェルマの数論68 ディオファントス解析に向かう

ラグランジュの見るところ、不定解析、すなわち不定方程式の解法理論はほとんど進展をみないまま、今にいたっているということです。ラグランジュの言葉が続きます。

〈ディオファントスとディオファントスの註釈者たちは。2次、3次、および4次の不定問題をも数多く解決した。〉

ディオファントスの註釈者たちというのは、バシェとフェルマのことをそう呼んでいるのでしょうか。

〈それはそうではあるが、それらの解法の大部分は特殊なものにすぎないのであるから、それらのほかにもなお、きわめて単純で、しかも同時にきわめて広範囲にわたる数々の場合が存在して、それらに対してはディオファントスの方法がまったく無力であるのも驚くにはあたらない。
 たとえば、AとBは非平方整数としてA+Bt^2=u^2を解くこと、すなわちA+Bt^2が平方数になるような有理数値tを見つけることが問題になっているとするなら、ディオファントス解析の既知のあらゆる技巧は、この場合に対しては無力である。〉

「ディオファントス解析」という言葉がここに現れました。これは不定解析の別名で、今日でもときおり見かけます。

〈ところで、以下の叙述において目にするように、2個の未知数をもつ2次不定問題の一般的解決は正にこの場合に帰着するのである。〉

ラグランジュはこう言ってすぐに、〈ただし、オイラー氏は例外である。〉と言い添えました。

〈オイラー氏はこの問題をペテルブルク帝国科学アカデミーの諸論文の間にみいだされるすばらしい2論文のテーマにしたのである(旧紀要、巻6.および新紀要巻9)。〉

ラグランジュが挙げているオイラーの2論文は次の通りです。

[E29] ディオファントス問題の整数による解法について
ペテルブルク帝国科学アカデミー紀要(註:ラグランジュはこの紀要を「旧紀要」と呼んでいます)、巻6、1738年。オイラー全集、第一系列、巻2、6-17頁。
[E279] 2次不定式の整数による解法について
ペテルブルク帝国科学アカデミー新紀要、巻9、1764年。オイラー全集、第一系列、巻2、576-611頁。

 ペテルブルクに存在した科学アカデミーのこと、旧紀要と新紀要のこと、それにオイラーの全集のことなどについても、語ればつきない諸事情がありますが、ここでは立ち入りません。

著作の完成をめざして3 フェルマの「欄外ノート」より

フェルマの数論の話はフェルマの諸命題を拾うことから始まります。典拠は「欄外ノート」と書簡集で、どちらもフェルマの全集に収録されています。

「欄外ノート」第7項目 〈直角三角形の基本定理〉
「欄外ノート」第18項目 〈多角数に関するフェルマの定理〉
「欄外ノート」第33項目 〈二つの4乗数の和は平方数ではありえない。〉
「欄外ノート」第45項目 〈直角三角形の面積は平方数ではありえない。〉
「欄外ノート」第44項目 〈三辺の長さが自然数で表される直角三角形であって、斜辺の長さ、および直角をはさむ二辺の長さの和がともに平方数であるものを求める。〉(フェルマはこの問題の解答を書い留めています。)

これらの五つの命題のそれぞれに、ディオファントスもしくはバシェの言葉が伴っています。

著作の完成をめざして2 パッポスの問題

デカルトの『幾何学』はパッポスが伝える「3線問題」と「4線問題」の回想から始まります。求める曲線を方程式で表すところにアイデアがありますが、今日のような直交座標系の姿は見られません。基準となる軸が一本引かれているだけです。この点はオイラーも同じです。

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